top of page
tabundabun

朝一の仕事が


朝一の仕事がひと段落ついて店を開けるまでにコンビニへアイスコーヒーを買いにいく途中に横切る公園では幼稚園か保育園かの未就学児らが引率の大人に付き添われててんで散り散りに走り回ったりボールを追いかけたりブランコを押したり散歩途中の犬に話しかけたりすべり台から滑り降りたりしている。内心にこやかにそれを目で追っていると一人の女児がブランコの少し外側を囲う柵をブランコ側から外側へとまたぎ終えるタイミングで近くにいる数人の子らに「それじゃあわたしちょっと出かけてくるわね」と話しかけているのが聞こえる。場所の空白に自由な設定を与えたり、その設定上の世界を生きるのが子どもは本当に上手だったと思いだす。おそらく数分か数十分後にそこをあとにするときには簡単に反故にするその設定をその瞬間は強く信じ込んで生きることが子どもにはできる。わたしは皆のお母さんで妹で恋人でおばあちゃんで妻でヒロインになる。


夜遅く帰って妻の前で恐竜の物真似をする。本当に一瞬恐竜に見えたと妻は言うが、自分では自分が本当に恐竜になった気はしない。恐竜になれたらどんなにいいか。と思ったり書いたりしているのは昨日、岡崎の動物園に行ったからかもしれない。夕方の京都市動物園はここ数日で随分と強くなってきた夕刻の日差しも風がさわさわと撫でる木々の音の涼やかさを際だてるほどにはよい環境で、たぶんそのうち年間パスを買うのだろうなと思う。ミーアキャットもバクもこれからもっと好きになるのだろう。


(5/23 涌上)

閲覧数:56回0件のコメント

最新記事

すべて表示

暮らしと商い

お寺へ向う坂の途中に1軒のお醤油屋さんがある。僕の散歩コースの話だ。 ある日、夕方にその前をとおりかかると、諸味かなにか、お醤油の香ばしい匂いがしてきたことがあった。醸造蔵の換気扇が弱々しくまわっている。店の暖簾はなかに仕舞い込んであって、少しだけ扉が開いていた。長屋のよう...

日記(2022,5,26)

午前中は天気が良かったのに、昼前には大粒の雨。 雨脚も強かったが、粒が大きい。書店営業に行ってたら苦労するぐらい。 雨の日は読書がすすむと言うが、なんでやろか、と家の人と話す。 やっぱり雨の音だけになるからちゃう? だって、今も急いで窓閉めたやん…とか話す。...

現代は忙しい

夜、メルマガに何を書くかで悩む。余計な事は書かない方がよい、新刊の案内が目的なのだ。そもそも、有名人でもない他人の日常などを読む時間的余裕なんてない。現代はそんな暇ではないのだ。 でも、やっぱりなんか寂しい。天気だけでもいい。「5月3日の京都はとてもいいお天気」とあると、「...

Comments


bottom of page